Moon patisserie
猫の店主が魔法の様に美味しいパンやケーキやお菓子を作る、Moon patisserieというお店がありました
名前の通り材料はきらきらと輝く星や月から生まれていて、さらに素敵な仲間たちが時折特別なお届け物をしてくれます
今日はまずミルクを満月にたっぷり注いで月のバターを作ります
芳醇な風味が広がる仕上げの秘密は白鳥しか知りません
黄金に輝くバターと星の粉でまずはクロワッサンを焼きましょう
店主は毎朝焼きたてのクロワッサンを口いっぱいに頬張ると、とっても幸せな気持ちになるのです
オーブンから良い香りがたつころ、テディベアのタグが林檎をもってやってきました
ねぇ、林檎と蜂蜜を交換してくれない？
暖かなオーブンの近くでうとうとしていた雌鳥の が目をパチッと開いて言いました
じゃあ私が卵をぽーんと産んで、ちょっと月に頼んでみるよ
何の事はない、満月が三日月になれば良いだけさ
言うが早いか綺麗な卵をいくつか産み、透き通る声で鳴きました
声を聞いた満月は少しづつ溶けて、光を閉じ込めた様な蜂蜜を溢し三日月になりました
店主はそれをよそにアップルパイを焼いて満足気
その時の気分で作るので、いつだって幸せなのです
うっとりと蜂蜜を見つめるタグと一緒にホットケーキを食べる事にしました
ふかふかのホットケーキにたっぷりすくった月のバターと蜂蜜をかけて頂きます
美味しさが染み渡って、今夜も輝く夢を見てねむるのです
店の前には白鳥に白馬のメリーゴーランド
夕方になると何やら様子が変わります
昼と夜で姿を変えてしまうのです
